気象制御容易性の定量化
機械学習を用いて、アンサンブル気象予測データを低次元空間に写像します。低次元空間の解析を通して、少しの操作で災害を回避できる災害/非災害の分水嶺(ツボ)を探索し、気象制御容易性の定量化を目指します。
図のようなランドスケープの中を玉が転がる状況を考えます。玉は図の奥(上)の「初期値」の所から図の手前(下)に転がっていきます。
最初の山の麓で、玉は左右のいずれかの方向に転がり続けます。例えば左に行った場合、さらに進んで山が大きくなった所では、黄緑の玉が分水嶺を越えて反対側の谷に行くには、高い山を越えなくてはならないので、大きな労力(エネルギー)が必要になってしまいます。一方、最初の山の麓では、僅かな労力(エネルギー)で(図の「制御入力」のところ)、玉の進む方向を変えることができます。つまり、最初の山の麓(分水嶺が開始する所)を見つけ出すことができれば、僅かな労力(エネルギー)でその後の状況を大きく変化させることができます。
数理研究班では、この様なランドスケープを、台風などの実際の気象現象から描くことを第一の目的とします。また、台風などの進路を予測して、分かれ道となるポイント(最初の山の麓)を探し出し、そこに少しのエネルギーを加えることにより、望む方向に台風等の進路を変更できるか、といった気象に対して有効な制御入力を特定します。
数理研究班
課題推進者
小蔵 正輝OGURA, Masaki
広島大学大学院先進理工系科学研究科 教授
課題推進者
徳田 慶太TOKUDA, Keita
順天堂大学健康データサイエンス学部 講師
課題推進者
薄 良彦SUSUKI, Yoshihiko
京都大学大学院工学研究科電気工学専攻 准教授
課題推進者
井元 佑介IMOTO, Yusuke
京都大学高等研究院ヒト生物高等研究拠点 特定准教授
プロジェクトマネージャーPM / 課題推進者
小槻 峻司KOTSUKI, Shunji
千葉大学国際高等研究基幹/環境リモートセンシング研究センター 教授
課題推進者
小林 亮太KOBAYASHI, Ryota
東京大学大学院新領域創成科学研究科 複雑理工学専攻 准教授
研究員
欧陽 懋OUYANG, Mao
千葉大学環境リモートセンシング研究センター 特任助教
研究員
武藤 裕花MUTO, Yuka
千葉大学環境リモートセンシング研究センター 特任助教
研究員
オエットリ パスカルOETTLI, Pascal
千葉大学環境リモートセンシング研究センター 特任研究員
研究員
塩尻 大也SHIOJIRI, Daiya
国際高等研究基幹全方位イノベーション創発センター 特任助教(学振特別研究員)
研究員
藤村 健介FUJIMURA, Kensuke
千葉大学大学院融合理工学府 修士2年
研究員
河﨑 文俊KAWASAKI, Fumitoshi
千葉大学大学院融合理工学府 修士2年
研究参加者
川端 拓也KAWABATA, Takuya
気象庁気象研究所気象観測研究部第4研究室 室長
研究参加者
大泉 伝OIZUMI, Tsutao
気象庁気象研究所気象観測研究部第4研究室 研究官